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カオサン発シェムリアップ行きのバス#2

›6 29, 2006

helmets

デモ隊と塩喰うジャーマン編

出発の朝を向かえる。カオサン発という事だが僕の場合はホアランポーン駅近く、昨日チケットを買ったTAT付近で、そのバスにピックアップしてもらう事になっていた。昨晩は予算上カオサンに泊まったので、なんとかして駅前まで行かなければならなかった。どうせならカオサンから乗りたいと言っとけば良かった(喋れなかった。)
早朝のカオサン通は夜の賑わいから想像がつかないほどカンサンとしていた。通りには露店の準備をしている人、バンコクを出発するバックパッカーがポツポツ。早朝から開いているカフェだけはどこぞへ出発する前の白人達がうじゃうじゃいる。それを見ると朝からムッとさせられる。

まだ駅へ行くには充分時間があったので辺りを散歩していると、なにやら大通り周辺が騒がしい。大通りへ繋がる道には、やじ馬らしき人達が何かを見ている。そして拡声器を使って何か叫んでいる声が聞こえてくる。野次馬達の目線の方向へ進んでみると、タイ語で書かれた旗を持った人や、誰かの似顔絵を描いた看板を持った人たちが大通りを埋め尽くしていた。それは首相退陣を求めるデモだった。日本でやっているデモなんか比にならない規模だ。デモと言えば何か暴力的なイメージが付き物だけど、行進している人達は普通のテンションの様で、手を振ってみると、振り返してくれた。
駅へ行くには、ちょうどこのデモ行進を横切らなければならない。今ここでtuktukを拾ったところで、人で溢れているこの通りを横断できる訳がなかった。散歩どころでは無くなり、もたもたしているとバスに乗り遅れそうだ。

demonstration against Thaksin www.thaicpra.org

駅前の集合場所に到着。僕以外にここから乗車するのは、北欧の男三人組とスイス人の女性二人組。彼ら五人もシェムリアップまで行くんだそうだ。彼らにさえはぐれず付いていければ、僕もきっとシェムリアップに行けるんだと思い、必死に迷子にならないよう五人の顔を覚えた。

バスを待っている間、これからシェムリアップまでの行程を頭の中で思い描く。昨日支払った600Bはちょっと高いと思うが、日本円にしてみればたいした額ではない。この金額でカンボジアまで行けるんだから、険しい道のりになるだろうと想像する。そしてバスが僕らの前に現れる。そのバスは僕ら六人誰しも想像しなかったであろう豪華なものだった。長距離を走る公営の一等エアコンバスより見た目快適そうなのだ。
バスにはカオサンから乗車してきた客でいっぱいで、もう僕らの座席分しか空いてないように見えた。僕は五人組韓国人客の隣に席を確保した。そしてバスは動き出す。バスはクーラーが効いているし、揺れも少ない、隣の席の韓国人のいびきを除けば最高のバスの旅になるはずだった。

もう何時間走っただろうか、バンコクの都会を抜ければ、バスの車窓から見える景色は永遠変化の無い田舎風景。バスの中で数時間居眠りをしていたけれど、寝る前に最後に見た景色と、目が覚めて初めて見た外の景色の違いが全く分からない。このバスは今どこを走っているのだろう、そしてちゃんと国境に向かっているのかどうか不安になった。しかし隣から相変わらず聞こえてくるいびきを聞くと、そんな不安は吹っ飛んだりした。

バスは国境近くのレストランに泊まり、どことなく現れたガイドらしき人物がパスポートを集めると言い出した。おそらくカンボジアビザの取得を代行してくれるのだろう。僕はあらかじめ大阪でビザを取っていたのでパスポートを手元から離す事はなかった。そのガイドらしき人がみんなの分のビザ申請を準備している間に、僕らは昼食となった。
そのレストランは木造平屋の壁がない柱と梁、そして屋根だけという簡素な造りだったが、それが何かタイっぽい。周りにはコレといって何も無さそうな所で、僕らみたいな観光客がいなければ潰れるんじゃないだろうかと思わせる。席に着いて焼飯っぽいものを注文し、天井付近にあるテレビを眺める。テレビにはタッキー&翼が歌い踊っていた。周りの何人かの非日本人もそれをボーと見ていた。

注文が届くのと同時くらいに、僕の席の向かいに巨漢のドイツ人老人が座った。この人も一緒のバスに乗ってきた一人である。そのドイツ人は僕に向かって英語で話しかけてくる。とりあえず英語が聞こえる振りをして、分かる単語を拾い集めると、「俺には大阪にノリコという愛人がいる。凄いだろ。」と言っていた。そして僕が英語が喋れないと分かると、その老人は僕にでも聞き取り安い英語で、「ドイツ人の俺は英語でいろんな国の人と話せる、しかし日本人はそうじゃない。おまえらは本当にバカだ。おまえと話すに値しない。」みたいな事言われた。彼は居心地悪そうにしていたのだが、暑さと巨漢ゆえに席を移る事を諦めた様だ。さらに注文した料理がなかなか運ばれてこない事が重なり、彼は半狂乱になり、テーブルに置かれていた塩を、地面に撒き散らしながら、肉食獣が何日ぶりに獲物を捕った時のように、勢いよく食べていた。この事でドイツ人に対して悪い印象を持ったということは無く、この人が特異すぎるのだ。

しょっぱい昼食タイムを終え、やっと国境に到着する事になる。そのレストランからバスに乗り込む際に、一人の日本人女性がいる事に気付き、相手も僕に初めて気が付いたようで、シェムリアップまで一緒に行く事になる。

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