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出家inフォルモサ

›5 21, 2006

軍艦アパート追加エントリー その五

Deya in Taiwan

最初にそれを見つけたのは、中正国際空港から台北へ向かう空港バスに乗っていた時の事。空港から台北市街を結ぶ高速道路からの眺めが、田舎から都会的に変化した直後ぐらいだったと思う。僕が乗っていたバスの後部座席から見えたのは、比較的古いアパート群(築20年くらい?)。アパートは数メートル間隔で永遠に並び続けていた。僕は目を動かす角度を車窓のサイズに合わせ、景色が動くスピードと同じになるように左右させていた。たくさんアパートが後方に流れていく中で、突然今までと違ったアパートが通り過ぎる。それら古いアパート群はたいていベランダが無いのだが、そのアパートはベランダ部分であろう場所に小屋やガレージの様なものが付属していた。もう一度確認しようとするが、それはすでに遠くの方に通り過ぎてしまった。
それを見たのは台北から遠くない場所で、高速道路沿い。僕はバスの中で、台湾で落ち着いてきたらそれを探しに行こうと考えた。

pingshi#2 Pingshi

台北から電車・バスそれぞれ一時間半、台湾北東部の山奥に、かつては鉱物資源で栄えた街平渓(ピンシー)がある。この街の鉄道はかつて採れた鉱物を運ぶためのものだったが、今では観光のために残されているような感じのものである。観光と言えど街は普通の田舎という感じで何もない。強いて言えば、役場近くの山の少し入った所にお寺があり、そこには夏は涼しく冬は暖かい洞窟があるくらいだ。

平渓駅から坂を下りたところに商店が立並ぶ。その一角に住民各々が増築したと思われる大阪の軍艦アパートに似た建物を見つける。

warship apartment #1 Deya in Taiwan

大阪の軍艦アパートのその突起部分は出家(でや)と呼ばれており、元々は無かったもので、時間が経つにつれ住民達の手で増築されていったものである。
今回見つけた台湾(平渓)の増築部分と軍艦アパートの出家を見比べてみる。外観、素材、用途どれをとっても瓜二つ。大阪の日本橋でしか見れないものが、偶然訪れた台湾の、偶然寄ってみた平渓という田舎町で、偶然見つかってしまう。なんか昔の友人に偶然出会ったような感じだった。
軍艦アパートの出家が大阪らしいと思っていたけれど、もっと広義的に考えなければならないのかなと思った。

「手作り!アパート増築マニュアル」というものが、ひょっとしたら存在するかもしれない。

関西今昔建築散歩:軍艦アパート

<追記>

つい先日、九龍城の写真集を眺めていたら、そこにも出家らしきもの発見したのだ。
香港・台湾・大阪、、、どこも人口密度が高い。都市でアパートに暮らしていたら、誰しも思いつくことは一緒なのだろうか。

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