ヒンドゥー教
カンボジア・シェムリアップ
地球の歩き方:アンコール・ワットとカンボジアアンコール・ワットはクメール建築の頂点である。9世紀から12世紀までのたゆまぬ試行錯誤がその実現を可能にした。そのプロセスは、より高く幾重にも重ねられた基壇「重層基壇の形成」、建物をつなぎ合わせて大きくしていく「空間の連結」、施設の周りを囲む周壁が次第に建築化する「周壁から回廊へ」、たんなる通路から次第に参道を整備する「参道の建築化」、壁面をより美しく飾る「壁面の装飾化」の五つに整理できる。
写真左はアンコールワットを取囲む周壁にある入口・西塔門を環濠の上を通る参道から見たもの。
この付近で観光パスを所持しているかチェックする人がウロウロしており、提示を求められると見せなければならない。地元カンボジア人は入場は無料のため、この道は観光客と地元の人でごったがえしで、見せずに入れる事もあった。
写真右は西塔門を抜け、アンコールワット中心部へとまっすぐ続く参道で撮ったもの。日の出は、ちょうどこの写真の方向、アンコールワットの後ろから上る。
最も高いのが中央塔とそれを取り囲む第三回廊。アンコールワットは四角い鏡餅の様な形をしている。大きい下の餅が第一回廊、小さい餅が第二回廊、そしてみかんの部分が第三回廊と中央塔である。アンコールワットは中心部に向うにつれて高くなっていく。左の写真は第二回廊から第三回廊を眺めたもの。
第三回廊へ登るためには、急勾配すぎて階段とは思えない段々を上って行かなければならない。サルが猿山を登るかの様に、四つん這いにならないと上れず、一度足元を見たものなら、たちまち僕の様な高所が苦手な人は、その場で凍り付いてしまうだろう。
第三回廊から下を眺める。360度森が広がり地平線をギザギザにつくっている。アンコール・ワット以外に建物が何も見えない。正直宇宙の中心はバイヨンではなく、この中央塔ではないのだろうかと思ったのだ。
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